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2011.9 初秋の東京4泊5日の旅(4.5) [日本の旅(東京)]

9/25(月)

この日は山種美術館の「知られざる歌舞伎座の名画」(歌舞伎座建替記念特別展)の見学。

恵比寿のJR駅からタクシーで700円ほど。いろいろと懸念の大きかったボローニャ歌劇場の2公演を終えて、ほっとしたのか疲れ気味でしたが、空海展に比べると見学者も極少なく、久しぶりに日本画をじっくり鑑賞できました。9/17~11/6まで。

↓ 上村松園「円窓美人」1943 歌舞伎座蔵

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↓ 川端龍子「青獅子」 1950 歌舞伎座蔵

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↓ 奥村土牛「鯉」1951 歌舞伎座蔵

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ほかにもまだまだ素晴らしい作品が展示されていましたが、絵葉書になっているのは限られています。

入り口左にティールームがあり、和菓子(娘道成寺)に抹茶でひと休み

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さて、これからバス停をさがして渋谷にでて、ゆっくりランチと思った時でした。なんと!オペラのチケットをホテルに置いてきたことに気がつきました。やれやれまたやってしまいました・・・トホホ。

タクシーで慌てて恵比寿の駅に戻り、昼食の時間はとれなさそうなので、駅の上にある千疋屋でフルーツサンドを買って、新橋まで。ホテルの部屋に戻り、備えてあるドリップコーヒーを沸かし、慌ただしい昼食を済ませ、14:00頃に地下鉄で渋谷へ。

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15分前にNHKホールに到着しました。ロビーの上階で、トランペットのファンファーレのサービス。バイロイト気分だわとご機嫌な私でしたが、プログラムは有料、しかも3.000円にむかっ(笑)ボローニャのほうは無料でしたから・・・。フジテレビよりNBSのほうが財政困難なのは承知です。仕方ないですね。METと今回のボローニャ、バイエルンのキャンセル騒動に懲りたので、しばらく東京での外来公演には足は向かない(向けない)つもりです。

ワーグナー『ローエングリン』 NHKホール 15:00開演

指揮:ケント・ナガノ   演出:リチャード・ジョーンズ

ハインリッヒ王:クリスティン・ジークムントン   ローエングリン:ヨハン・ボータ   エルザ:エミリー・マギー    テルラムント:ファルク・シュトルックマン  オルトルート:ワルトラウト・マイヤー   王の伝令:エフゲニー・ニキーチン

バイエルン国立管弦楽団 バイエルン国立歌劇場合唱団

ボローニャのよく言えばオーソドックス、悪く言えば古臭い舞台のあとのせいでしょうか、斬新な演出がとても新鮮に感じられました。演奏が始まる前から家の土台を造るコンクリート煉瓦を積む作業をしています。そして、お下げ髪に作業スタイルのエルザがマイホームの設計図を書いています。指揮のケント・ナガノがすでにピットに入っていて、時間になったら立ち上がってやおら棒を振ると、ワーグナーの世界が広がって、わくわくしました。ローエングリンの生は初めて。

休憩は35分のが2回入り、その間に家も出来上がっていきます。想像していたより、本格的な建物。それにあわせて物語も進行するのです。家を造る人々は青いシャツ(ブルーカラー)の労働者たち、庶民の願うつつましいマイホームはエルザの愚かさのため(オルトルートにそそのかされたとはいえ)崩壊し、神から使わされた正義の統治者は去っていきます。エルザの女としての後悔の嘆きよりも実はもっともっと辛い結末を予測させながら幕が下りました。

カウフマンのキャンセルでがっかりしたもののボータが代役と知ったとき、正直歌はボータのほうが良いかもと喜びました。今回の公演の初日でもあり多少堅さはありましたが、やはり素晴らしいローエングリンを聴くことができました。ただビジュアル的な辛さはあります。カウフマンが青いTシャツ姿のところは青いYシャツ(しかも裾広がり)のスタイル。新婚の夜に新居に入り階段を上ったり、バルコニーに出たりするところも、ハラハラしました。一度階段の上がり口の手すりのところに寄りかかって歌ったとき、ギシッと音がしたときはハラハラを通り越してヤバイ!転んで怪我をしたら大変ですから。そのせいか次は椅子に腰掛けて歌ってくれた「聖杯の物語」。ボータの清らかな声はあくまでも哀しく気高く響きました。素晴らしい!!

エルザのエミリー・マギーは上手だとは思いますが、引き込まれる魅力に欠けています。昨年新国立劇場で観た「影の無い女」でも同じ印象でした。対照的なのはオルトルートのマイヤー。歌唱を聴くと下り坂にあることは承知しても、役柄になりきったパフォーマンスは文句なしです。彼女が登場しただけで舞台が引き締まります。

カーテン・コールでケント・ナガノにブーをした人がいました。好みはそれぞれですが、こんな状態の日本に来て、しかもスタッフ総勢400名のうち100名もの辞退者があり、音楽監督としての苦労も多々あったでしょう。それなのにブーはひどすぎませんか?

Nさんは帰札して今夜は独りで夕食。銀座の天麩羅屋で野菜のてんぷら定食をいただいて、ホテルに戻りました。

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9/26(月)

昨日のローエングリンの終演が1時間早ければ、札幌に帰る最終便に間に合ったのですが、無理と判断して1泊余計に泊まりました。さすがに4夜連続の観劇で疲れました。

朝食の後は荷物の整理をして、11時にチェックアウト。荷物はホテルから宅配便で送り、身軽になって、東京駅へ。友人のBさんと丸ビルのタイ料理のレストランで、ブッフェランチ。35Fですが、生憎の雨で視界は悪かったものの、Bさんとふたりでじっくりおしゃべりができて、楽しい時間でした。次回は海外で会えるかも・・・。

もう、動くのも億劫なくらい沢山いただいたのですが、山手線~モノレール~羽田ターミナルと移動しているうちにこなれてきたようで(笑)搭乗口に最近の改装後に出来た築地の寿司屋さん(カウンター)でばらチラシ寿司の折を買って、機上夕食。すっかり胃が広がった感じ=体重増加をひしひしと感じつつ帰宅しました。

追記:秋のヨーロッパ 

http://homepage3.nifty.com/teruterubouzu-travel/travelplan2011.html

フローレスが来日しなかったからと言うわけではなく、以前からスカラ座の「湖上の女」のチケットが取れたら行こうと思っていました。幸いゲットできましたので、他のチケット(ウィーン)はまだ確定しないものもありますが、取れなかったら別の案(コンサートやロマネスク)の用意もでき、万全と言いたいところですが、移動が多くかなりハードになりそう・・・。


タグ:山種美術館
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ご~けん

全く同感、ボータとマイヤーに酔いしれた一日でした。演奏前から舞台で何やら作業したり、椅子に座っている歌手に、どんな意味が込められていたのか、、分かりませんでした。
ローエングリンがまだ現れないとき、エルザがガソリン撒かれて火あぶりになりそうなシーンもビックリでした。家の中でアザラシのように寝そべっているボータ、面白かったです。
放映あると良いですね! プログラム買わなかったので、演出に関する説明を聞きたいところです。
by ご~けん (2011-10-03 01:05) 

alice

ごーけんさま、あの演出は結構面白かったですね。演奏前から作業を始めたりするのは、時代背景を予備知識として提示されたものと考えておりました。たまにこういう演出がありますが、歌う前からじーっと立っているヒロインも大変です。

伝説の騎士を理想的な統治者(大工姿でも)としてみた場合のこの喪失感は深く、やり場の無い庶民たちの次に求めるものは、革命や強い為政者(例えばヒトラー)に傾くことかもしれません。悲惨な戦争のプロローグとしてみると、本当に怖いです。

政治に失望している私たちとは無縁の物語ではありませんし、大震災で家族や家を失った人たちと舞台上の懸命に働いて建てた小さな家を火災で失うシ-ンはどうしてもダブって見えて・・・。


by alice (2011-10-03 16:49) 

レイネ

秋のヨーロッパ・ツアーのスケジュール・アップを楽しみに待ってました。いつもにもまして目一杯豪華な内容ですね。『湖上の美人』@スカラ3回というのと、ウィーンに何度も戻られる(『リング』が取れたらの場合)というのに、相当な熱意が感じられます。飛行機移動が多いのも凄いです。さすがに、コンヘボまで足を伸ばして、ミンコさん指揮の『水上の音楽』というのはないのですね。
また、いつかお会いできたらいいなあ。
by レイネ (2011-10-07 16:13) 

alice

レイネさま、リングのニ夜は取れない確率が高そうなので、無理やりB案を捻り出しました。調べているうちにイタリア・ロマネスクを訪ねるB案のほうが、今や魅力になってしまい・・・(笑)

ウィーンとミラノ間はオーストリア航空が往復8.000円程度なので、気楽に行ったり来たりできます。

「セルセ」は同じ日でなくて残念です。レイネさんとご一緒なら、重くても着物持参しましたのに・・・一人だから、今回は諦めました。
by alice (2011-10-07 23:35) 

hbrmrs

こんにちは。今回カウフマンが降板になってみんながっかりしましたが、私は代役がボータに決まって喜びました。そんな人間は私くらいだと思っていたら、さ・す・がアリーチェさん、一緒でした!(笑)

そしてまたご旅行ですね。17泊だなんて羨ましすぎる。サラリーマンには無理。早く定年にならないかなー(笑)。

ウィーンのリングはチケット争奪戦がものすごいみたいです。私の友人も行こうとしていましたが、ほぼ無理と諦めているみたい。もし観られたら最高にラッキーですね。お祈りします。ダメでも次善の策を講じられていますので、スパッと切り換えられそうですね。

いつものとおり移動が大変そうですが、お気をつけて!
by hbrmrs (2011-10-09 20:41) 

alice

hbrmrsさま、ウィーンのリングはぎりぎりまでスタンバイチケットの結果を待つことにしました。そのせい?いまいち旅の前の高揚感に欠けてしまってます。

それでも、MIXI仲間からの情報によるとグルベ様もフローレスも絶好調らしいので、楽しみです。

ボータのワーグナーは4年前METの歌合戦のワルターで聴いたのが初で、素晴らしかった(ドイツ語の節回しがやや?でしたが)のと昨年のバイロイト(hbrmrsさまは生を聴かれた)のTVやラジオで、聴いて一段と進化したようで期待していました。

グルベ様とボータのノルマは演奏会形式なので、安心して(笑)聴けそうです。
by alice (2011-10-10 20:47) 

ヴァランシエンヌ

アリーチェさん、お久しぶりです。旅行記を楽しませて頂いてます、ヴァランシエンヌです。覚えていらっしゃるでしょうか?

実はこの度、サイドバーに貼って頂いているブログ"Valenciennes Traeumereien"の引っ越しを致しました。
もし宜しければ、こちらのブログのブックマークリンクを新しいURLに貼り替えて頂ければ・・というお知らせに伺った次第です。

(リンクして頂いている方には、順次メールでお知らせをしているんですが、Mixiを退会してしまった為、アリーチェさんのご連絡先がわからなかったので、すみません、コメント欄でのお知らせになってしまって)

新しいURLは http://darkhoneybass.info/ です。
ウチの方で改めてリンク集を作ったのですが、そのURLは http://darkhoneybass.info/?p=1894
(ここに、新しいサイト名とか、ぐちゃぐちゃ書いているので、お時間がありましたら目を通して頂けると幸いです)

お手数をおかけしますが、ご検討下さると幸いです。(もちろん、気が乗らなかったらスルーして頂いても構いませんので…)
宜しくお願いします。

シラーの「ノルマ@演奏会形式」行かれるんですね!グルベローヴァ出演のチケットは即完売するかな~~と思って、はなっから諦めていたのですが(実はそうでもなかったんですけど)
感想を伺えるのを、楽しみにしてます。
by ヴァランシエンヌ (2011-10-13 20:08) 

alice

ヴァランシエンヌさん、こんばんは!覚えているに決まってますよ~と言いながら私もご無沙汰しておりました。

新しいページも何回かお邪魔していたのですが、まだURLを変更していませんで・・・ずぼらでスミマセン(汗)別ページから今追加させていただきました。

オロヴェーゾのヴィノ君を聴くのも楽しみ!です。シラー劇場は初めてなので、近くに宿をとりました。


by alice (2011-10-13 23:07) 

ヴァランシエンヌ

お忙しい中、お手数をおかけしましたm(_ _)m
ありがとうございます。

オロヴェーゾは、彼のデビューロールなんです。最近あまり歌ってませんが、キャリア初期の頃にはよく歌っていたようです。
グルベローヴァとの共演も楽しみにしているようなので、気合いも入ることでしょう(笑)

シラーは、お手洗いの数が少ないし、クロークも混み合ったりします。あまり快適な劇場ではないんですけど、やっぱりあそこのオケの音が好きなので、また行きたいです。
一応、昨年末に行ったときの劇場レポがありますので、ご参考までに。。。
http://wp.me/p1URBt-f0
(旧ブログから引っ張ってきただけ状態ですが、写真スペースが大きく使えるレイアウトなので、コチラの方が見やすいかと。。。)

情報は、どんどん古くなってしまいますので、また変わっているところなども教えて頂けると助かります。
お話、楽しみにしてますね。
(ミラノも…6月に行って以来、また行きたくてうずうずしてます^^;)
お気をつけて、良いご旅行を(^^/
by ヴァランシエンヌ (2011-10-14 11:03) 

alice

ヴァランシェンヌさん、明日出発します。

ベルリンやウィーンは札幌より寒いようですが、宿とシラーの往復だけで、ほとんど観光する暇がないので、なんとかなるでしょう。

出発前に古本の買取業者にダンボール3箱送ったりしたので、腰痛気味・・・。
そのわりに荷物が多くて、困ったものです。

今回はミラノで友人たちと一緒にフローレスの美声を浴びてきます。楽しみ!!!
by alice (2011-10-23 22:43) 

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