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2006夏の音楽祭の旅~インスブルック(1) [オペラと美術の旅2006夏2]

8月23日(水)  札幌7:50~羽田9:25・・・成田13:00~フランクフルト18:00/21:15~インスブルック22:35      hotel Goldener Adler 2泊

今回の旅はオペラ仲間の友人E子さん、Y子さんが同行してくれることになったので心強い。Y子さんは一足早くフィレンツェに行き、インスブルックで待ち合わせることになっている。E子さんとは千歳空港の出発ゲートで待ち合わせ。山菜おこわのおにぎりを私の分も作ってきていただいて感謝。機上で朝食をとり、ウトウト居眠りしているうちに羽田に到着。

 成田で宅急便で送ってあったトランクを受け取りチェック・イン。インスブルックまでバッゲージ・スルーと確認したのだが・・・。フランクフルトで3時間の乗り換えがあり、広いターミナルをうろうろ移動。ついでにBarでサンドイッチとワインで夕食。すでにフィレンツエから列車移動でインスブルックに到着したY子さんとメールのやり取り。1時間前にゲートに向かったのだが、荷物の検査場には長い行列で時間がかかり(ロンドンより厳しかった)ゲートに着いたのは出発15分前に なっていた。係りの女性に長い間待ってたのよと言われ・・・すみません。

  インスブルックに着くと トランクは出てこない。このご時勢なので当人が乗らない荷物とみなされ二人のトランクはフランクフルトで降ろされたらしい。
けれど係りの女性がてきぱきと調べてくれて明日の朝10時にホテルまで配達してくれると言うので、ひとまず安心。石橋を叩いて渡るタイプの友人が10時にホントに届くのか?と念を押すと「99%大丈夫よ」とのお答え。イタリアでなくて良かったねぇ~。

タクシーでホテルに向かうとY子さんが夜更けもかかわらず玄関の前で待っていてくれた。優しい~。モーツアルトやゲーテも泊まったことのある古いホテル(1390年創業)は 最近改装され4★の宿となっている。その割には料金も安く、場所も旧市街のど真ん中、オペラ劇場もごく近く と申し分がない・・・はずはなく水周りに問題があった。暑いお湯だけしか出なかった部屋のE子さんは憤然。部屋代を負けさせた。(当然!)

↓金の鷲ホテル

↑私の宿泊した部屋


2006夏の音楽祭の旅~インスブルック(2) [オペラと美術の旅2006夏2]

8月24日(木)     インスブルック古楽祭

 さすが4★のホテル、美味しいブッフェの朝食 をいただいていると、窓の外はホテルの前のプレート(宿泊した有名人が石板に彫られている)を見学する観光客が次々にやってくる。 私たちもホテルの周辺をのんびり散策。果物屋の屋台を覗いていると蜂がY子さんの手を一刺し。彼女はパニック・・・というのは蜂に刺されたのは2度目。前の時は次に刺されないようにとお医者さんに注意されたという。夫も同じ注意を受けているので、一瞬こちらもここでショック死したらどうしようと頭が真っ白。しかし無意識で目で追った蜂は小さく弱そうだったので、ともかくすぐ近くの薬屋に直行。彼女も薬を塗って落ち着いた。ショック死って多分即死だろうし、まだ死んでないから大丈夫だわ~とヘンな 励まし。(爆)今は笑い話でもあの時は真剣だった。3日ほどで 腫れも引いたのでホントに良かった。

 チケットのピックアップに  オペラ劇場↑に行ってみると(i)で保管していると言う。公演時間が迫ると劇場に持ってくるのかな? 引き換えの場所など確認書に何も説明がないのは少々 不親切。すぐ近くの(i)でチケットを受け取り、ルーカス・クラナッハ の聖母子の祭壇画(写真)を観に聖ヤコブ教会へ。第二次世界大戦で屋根は吹き飛んだそうだが改築され、立派なパイプオルガンもあるバロック様式の教会。前広場の周辺には蝋燭やがあり門前町の雰囲気。

ランチはインスブルックでも最古といわれる建物のなかにある素敵な木の内装のレストランで 。(ホテルの近く)イタリアに近いのでラザーニャがとても美味。(写真)3皿を分け合って食べるんでしょう?って先に言ってくれて、気配りも良い。雨が降ったり止んだりの天候だったし、あまり遠くまで行かないで川の畔で高く聳える山々を眺めた。インスブルックは9年前ツアーで立ち寄った ことがあった。そのとき木彫りの受胎告知のミニ人形を買ったのだが、その手彫りだけ扱っていたお店は無くなっていて、ほとんどが普通のみやげ物屋になった。高い山並みに囲まれた落ち着いた古都の街並は変っていない。

 昼寝のあとは今回の旅のオペラ第一弾。モーツアルトの「羊飼いの王様」20:00開演

「Il Re pastore」

指揮:Alessandro de Marchi   演出:Vincent Boussard 衣装:Christian lacroix

Aminta:Zoryana Kushpler  Elisa:Kristina Hansson  Tamiri:Raffaella Milanesi  Agenore:Sebastien Droy  Alessandro:Thomas Walker

Academia Montis Regalis

 ここの夏のオペラはなかなか評判が良いので、いつかはザルツに合わせて観たいものと、かねがね思っていた。今回は丁度 日時もぴったりで即ネット予約。「羊飼いの王様」は初めてなので、友人3人でのDVD試写会 での予習も出発前に済ませ、とても楽しみだった。

指揮のデ・マルキ、歌手たちも初めて聴く方たちだったがバランス感の優れた演奏。モーツアルトがザルツ時代の10代終わりに作曲した美しい抒情的なメロディを堪能。いくつかのアリアもそれぞれしっとりと歌われ、古典的な男女の心理描写を細やかに見せた演出に調和。壁に羊飼いの部屋のドア、カーテンを使っただけのシンプルな舞台で私好み。
↑でわざわざ衣装担当を紹介したのは単に有名デザイナーというだけでなく、この舞台のドレスがとても美しく印象的だったから。オペラのドレスに魅惑されたのはヴェルニケ演出の「薔薇の騎士」以来初めて。カーテンコールに舞台に出てきて喝采を受けたラクロワは精悍な中年男性。三越にショップがあるけれど派手なデザインのイメージが強かった。今度覗いてみようかな・・・買えないけど。(笑)
 雨模様のなかでも華やかなロングドレスの女性が多かった。観光客が他の有名音楽祭に較べてごく少ないせいか落ち着いた雰囲気。当然マナーも花丸!

 帰り道は雨脚が強くなり、ぐんと寒くなった。チロル地方には早くも秋の気配が漂っていた。


2006夏の音楽祭の旅~ザルツブルグ(1) [オペラと美術の旅2006夏2]

8月25日(金)  インスブルックからザルツブルグへ
                                                  Hotel Elefant5泊
  雨模様の肌寒い朝、タクシーでインスブルックの中央駅へ。私が事前にオーストリア国鉄のサイト調べたタイムテーブルとは違っていて9:30発の特急があった。一等で43€。しかも私の作った予定表よりも25分も早く12:30に到着したので、もう少しで乗り過ごすところだった。(汗)
ホテルは3年連続して 使っている私の定宿 。古い建物だけれど祝祭大劇場まで徒歩3分くらい、レストランも付いているので便利。とても人気があるので去年宿泊した時に、今年の日程が決まっていたので、予約を済ませていた。私の部屋は去年と同じ料金なのにバスタブがついていなかったの。がっかり・・・急に腰が重くなった。(涙)モーツアルトの記念祭なので実質的な値上げなのか?

ランチは ここのレストランで、ビールとウィーン風カツレツ。お給仕のインド人の青年が私の顔を見てにっこり・・・憶えていてくれたようだ。一休みしたあと、バーゲン狙いのショッピング。しかし、手持ちのビーズつき黒のトップにぴったりのサテンのロングスカートは秋物とかで高い!迷って迷って・・・結局、清水の舞台から飛び降りてしまった。(大汗)

昼寝のあとはザルツ第一弾の「イドメネオ」19:30開演  フェルゼンライトシューレ

「IDOMENEO」(シュトラウス・ヴァージョン)コンサート形式

指揮:Fabio Luisi  Idomeneo:Robert Gambil
Ilina:Baritta Stallmeister  Arbaces:Christoph Pohl  Idamantes:Iris Vermillon  Ismene:Camila Nylund  

ドレスデン歌劇場オーケストラ&コーラス

予習のDVDもシュトラウス・ヴァージョンのCDも聴かないまま出発してしまった。友人が二つのイドメネオの違いを解説してくれたので助かった。(汗)不勉強なうえにイダマンテはソフィー・コッホが 歌うはずだった と残念で初めは気分が乗らない。Iris Vermillonは健闘したが、どちらかというとカルメンなど歌ったほうが良いタイプ。ルイージとドレスデンのコンビは同じ会場でコンサート形式のシュトラウス 「エジプトのヘレナ」を3年前に聴いていた。ルイージはシュトラウスが得意なようで、この演奏もオペラティックな盛り上げかたがとても上手い。シュトラウスがこのモーツアルトのオペラ・セリアから脇役のエレクトラ(シュトラウス・ヴァージョンではイズメーネに変わる)を主役にオペラをを作曲したことは良く知られている。シュトラウス自身のスタイルへ(後期ロマン派?)イドメネオの音楽的言語を変えていった。その手法はホルンによる強く高い音を取りいれたことだそうだ。その手法にまんまとはまって次第に集中感も増していく。いつもながらいっさいメモをとらないので時間は不正確 だが、モーツアルトのオリジナル版より30分ほど時間が 長かった ようだ。今年からドレスデンの音楽監督になったルイージ、ますます円熟味を増して活躍が期待される。ドレスデンに行きたい!!

祝祭大劇場の前で

 

夜になってますます寒くなったので、アフターオペラは赤ワインと熱々ソーセージで、温まって帰った。熟睡。


2006夏の音楽祭の旅~ザルツブルグ(2) [オペラと美術の旅2006夏2]

8月26日(土)  ザルツ2日目はダブルヘッダー

 「モーツアルト・マチネ」 モーツアルテム11:00開演
交響曲「パリ」KV297   テノールのアリア KV469 、KV431
 ミサ曲KV317 ソナタKV329

指揮:Ivor Bolton  ソプラノ:Veronica Cangemi
アルト:Victoria Simmonds  テノール:Topi Lehtipuu  バス:Gunther groissbock  
モーツアルト・オーケストラ・ザルツブルグ & チェンバロとパイプオルガン 

  旅に出て朝から晴れたのは初めて。気温が上がってきたが、ザルツァッハ川を渡る涼しい風に吹かれながらモーツアルテムへ。 モーツアルトの声楽曲のなかでも 特に好きなのが教会のミサ曲 。さすがに高い水準のソリストたちを揃え、聴き応えがあった。前半のテノールのアリアで存在感を示したのはTopi Lehtipuu 。フィンランド生まれの若い歌手。見た目も背が高く、甘くないがいい感じのハンサム。(好み!)ブリテンやモーツアルトのほかにヘンデルやラモーもレパートリーにしている。クリスティ指揮でシャトレ座で「Les Paladins」でも歌っているということは秋の日本にもお目見えするのか?(行かないつもりだったのに困るわ) 2007年にはパリの「アリオダンテ」って超有望株ではないですか!!でもまだ初々しくて、舞台に上がってきたら自分の立つ位置を間違えて、「おいおい」とボルトンに注意されてた。(笑)

ザルツブルグは音楽祭がなければ一度観光すれば充分なところ。ロマネスク好きな私にとっては退屈なバロックの街。けれどチケットが高いと言いながら今年で5回も来てしまった。そろそろ卒業かと思いながらも、どっぷり音楽漬けになる日々のなんと悦ばしいこと!!

マチネの終演後は中華レストランでビール、焼きそば、野菜炒めでランチ。安いし、家庭的な味でほっとする。

夜は「魔笛」19:00開演 祝祭大劇場

「DIE ZAUBERFLOTE」

指揮:Riccardo Muti  演出:Pierre Audi
Sarastro:Rene Pape  Tamino:Paul Groves
Sprecher:Franz Grundheber  夜の女王:Diana Damurau  Pamina:Genia Kuhmeier  侍女たち:Inga Kalna、Karine Deshayes、Ekaterina Gubanova  Papageno:Christian Gerhaher  Papagena:Irena Bespalovaite  Monastatos: Burkhard Ulrich

ウィーン歌劇場オーケストラ/ウィーンフィル

昨年と同じしけた?演出と思い込んでいたので、幕が上がってびっくり!!  がらっと変わって漫画チックといおうか賑々しい舞台になっていた。先の演出が余程評判が悪かったのか?だからといってこのゴテゴテ趣味はどうも馴染めない。主な歌手はタミーノと夜の女王が それぞれ Paul Groves と  Diana Damurau になり、他はほぼ同じ。そうそうこの朝、ホテルの階段で朝食に降りてきたパーぺと鉢合わせ。「あわわ・・・(○○さん!)」この○○さんがとっさに出てこなかったので無視されちゃった 。(汗)実物はそんなに大きく見えなかったけれど、舞台でのパーぺは声の威力もあってその存在感は凄い!ダムラウの夜の女王のアリアも完璧!キューマイヤーは昨年の初々しさは消えてちょっぴり大人の女ムードになった。歌唱は変わらず素晴らしく、地元出身ということもあって盛大な拍手!残念だったのはタミーノのポール・グローブス。見た目でも損してるかもしれないが(目の表情がいつも硬く自信なさそう)、歌唱もいまいち。6月にパリで「愛の妙薬」のネモリーノを 聴いたばかりだったので、あまり期待はしていなかったが・・・。この目の疲れる演出は好みではなかったが、ムーティとウィーンフィルの演奏にはうっとり・・・しかし、目をつぶって聴いているとダブルヘッダーの疲れがでて、眠くなって困った。この夜が「魔笛」の最終公演だった。

 ホテルのレストランでアフター・オペラの一杯を傾け、軽く食事をとってから就寝。


2006夏の音楽祭の旅~ザルツブルグ(3) [オペラと美術の旅2006夏2]

 8月27日(日)  この日もダブルヘッダー

ウィーン・フィル演奏会  11:00開演 祝祭大劇場

THE FINAL THREE
モーツアルト最後の3つの交響曲 
第39番KV543    第40番KV550   第41番KV551「ジュピター」

 指揮:ニコラス・アーノンクール

この3つの交響曲は1788年モーツアルトが32歳の時に短期間にまとめて作曲されたという。39番は40.41に較べるとあまり馴染みはないがシンプルな美しさ。他に比べやや無彩色に感じられる調べは彼の不遇な晩年を予感させる。しかし40番、特に第二楽章のANDANTEの華やかなメロディは名曲として耳にする機会が多いし、ジュピターというニックネームのパワフルな 41番にいたってはモーツアルトのオペラティックな魅力にあふれている。2回の休憩をとり、延べ3時間半のコンサートは アーノンクール渾身の指揮によって 記念の年にふさわしい感動的なものとなった。カーテンコールでのスタンディング・オーベーションに応えるアーノンクールの紅潮した顔の表情に・・・。(涙)

さて怒涛のコンサートの後は「長野」で握り寿司を食べ、夜食用におにぎりのテイクアウトも。連日のダブルでの公演で疲労はピーク。こいうときはやはり和食が体に優しい。

「ドン・ジョバンニ」19:00開演  祝祭大劇場

 「DON GIOVANNI」

指揮:Daniel Harding  演出:Martin Kusej

Don Giovanni :Thomas Hampson  Leporello:Iidebrando D’Arcangelo  Donna Annna:Christine Schafer  Donna Elvira:Melanie Diener  Zerlina:Isabel Bayrakdarian  Il Commendatare:Robert Lloyd  Donottavio:Piotr Beczala  Masetto:Luca Pisaroni

ウィーン国立歌劇場オーケストラ/ウィーンフィル

2002年、2003年と同じ演出で好評だったこの舞台は指揮者はアーノンクールから若手NO.1 のダニエル・ハーディングに。またドンナ・アンナを歌って大ブレークした人気 ソプラノの アンナ・ネトレプコ から実力派のクリスティーヌ・シェーファーに交代。序曲が始まるとスクリーンに下着姿の4人の人種の違う女性たちが映し出され・・・お~っ!と歓声があがる。(笑)全体を通して下着姿の女性たちが彷徨い歩き、ポーズをとる。また白い壁、白い柱の建物がシーンに応じて回り舞台になる。そのまばゆい明るさはこの夜の闇のなかで進行するドラマとしては、少なからず想像力を働かさなければならない。衣装は今風のデザインだが、似合っていたのはZerlinaとMasettoの若い恋人たち だけ。Donna Annna はネトレプコのイメージが強いのでヴィジュアル面でシェーファーには損、衣装も知的な彼女には似合わない。歌はシェーファーのほうが上手いのに・・・。(ブツブツ文句)一番残念だったのはハンプソンの調子が悪かったこと。声の衰えをカヴァーするせい?歌詞がふがふが・・・綺麗に発音されない。彼の欠点がもろに出てしまった。(涙)演奏はハーディングの瑞々しさにあふれた指揮が秀逸。楽器の音が浮かび上がり、そのメロディーの 妙なる美しさにはっとさせられこともたびたびだ。まだ30歳くらい?凄いとしか言いようがない。最後の場面は舞台中央で強烈な光が発せられ目が眩んだ。昨夜の魔笛に続いてやたらに目が疲れ、就寝前の目薬点眼が欠かせない。

アフターオペラの飲み会の元気もでない3人はそれぞれ部屋に帰った。おにぎりに味噌汁をいただきベットへ倒れこんだ。


2006夏の音楽祭の旅~ザルツブルグ(4) [オペラと美術の旅2006夏2]

8月28日(月) 今日はのんびり

 朝から雨が降ったり止んだりの日。ザルツへ来るたびに必ず訪れるのが大聖堂。夏の音楽祭の期間中は2、3日おきにオルガンコンサートが開かれる。
今年の日時を確かめに先にひとりで行ってみたが、残念なことにコンサートの日程は昨日で終了していた。しかも今年は合唱つきのミサ曲の演奏があった模様。惜しかった。そぼ降る雨のなかとぼとぼとモーツアルト広場近くのインターネット・カフェへ。
パソコンが入れ替えられていて、日本語は読むだけで書き込み不能・・・。(涙)
 もしかして、どこかをクリックすればとあれこれ自棄になって叩てみたがダメ。MIXIにもすでにコメントしたが、新しく取り替えたボーダフォンの携帯がフランクフルト以来接続できない。(Y子さんも同様)オーストリアではまったく繋がらなかった 。朝、札幌の自宅に電話。8月中旬にロサンジェルスからインディアナポリスに転居した次女から連絡がまだないと夫が訴えるので、メールをしたかったのだが・・・。娘の夫は仕事の都合で先に赴任。1歳の子供を抱えての引越し+自宅の売買・・・まあ、なんとかやってるだろうと手伝いに行かずこちらで音楽三昧の母は思うしかない。(汗)

ランチは友人たちと某有名修道院の隣のレストランで。カーブのような地下室(雰囲気良し)に案内された。お隣のテーブルの真似をしてザルツ風?パエリア(肉類と野菜の)。大きな鉄板の浅鍋に盛られて凄い量。2人前でもお腹が一杯!味はまあまあ。オーストリアのフルーティな白ワインが美味。楽しくおしゃべりも弾んだ。今日はマチネのコンサートがないので御土産などショッピングしたり、リラックスできた。

夜は「ポントの王ミトリダーテ」20:00開演 レジデンス中庭

「MITRIDATE.RE DI PONTO」

指揮:Marc Minkowski  演出:Gunter Kramer  
Mitoridate:Richard Croft  Aspasia:Netta Or  Sifare:Miah persson  Farnace:Bejun Mehta  Ismane:Ingela Bohlin  Marzio:Colin Lee  Arbate:Pascal Bertin

Les Musiciens du louvre-Grenoble

昨年、レジデンス中庭の会場は祝祭小劇場の改築時だけの臨時のものと思っていた。それは私の勘違いだった。立派に小劇場は完成したが、今年もまた昨年同様にテントを張っての仮舞台が使われた。この日は夜になっても冷たい風と雨のあいにくの天気。そのうえ開幕前にB・メータの調子が悪いとのアナウンス。しかし、最終公演ということもあり非常に引き締まった舞台になった。去年に比べ、歌手陣の動きがより無駄がなくなり、表情もドラマティックさを強調。それぞれがすっかり自分の役を掌中に収め、歌唱もオケも最終公演を惜しむように、いとおしむように演奏され大満足!!他のオペラに較べると悪いが、私にとって次元が違うように感じた。天井から吹き込む寒風に震えながら観たミトリダーテは一生忘れられないだろう。ここ3年連続、ザルツ訪問の時期が同じで、お話しするようになった方もすっかりミンコのファンになられた。今年は2回観たと大感激の面持ち。嬉しかった。昨年よりぐっと良かったのはミトリダーテのR・クロフト。最初のアリアから飛ばし、その力強さの加わった持ち味の柔らかに上昇する高音に魅せられた。まだ耳に残っている。
B・メータも声の疲れはあったものの丁寧な歌唱。最後の長いアリアの時は観客もシーンと物音一つ立てない。その静寂のなかで雨の音と彼の細くとも、くっきりと響く声はなんと表現すれば良いのだろう。またシファーレの古楽器のホルンを伴奏のアリアはミア・パーソン の歌唱で深い感動。昨年少々聴きづらい声と思って好きになれなかったアスパージアのオールも一段と進歩。ミンコもカーテンコールでは昨年ほどの興奮はみられなかったが、大成功をおさめた落ち着いた巨匠の雰囲気であった。演出についてはやはり2度目ということもあり、クレーマーの意図も少しは理解できたかと思う。モーツアルトが14歳のとき作曲したというこのオペラ・セリアの現代との融合性・・・権力者としての父と息子たちの相克・・・未熟だった息子たちの成長の記録ともいえる。

 ここでひとつ失敗談。あまりにも寒いので窓が開いてるためだと勘違いした私。係りの方に窓を閉めてとお願い。しかし、不可能ですという答えに「なんでぇ~?」と怒っていると、プログラム売り場で微笑んでくださった日本人の50代?の男性が現れて、ここは中庭だから窓の向こうは建物で風ははいらないのですよ と教えてくださった・・・そう!そうでしたわ。(私って馬鹿)穏やかな話しぶりの素敵な紳士のその方と少しおしゃべりできて、私たちおばば 3人はポ~ッ!。1月27日のザルツのコンサートにも招待されたそう・・・何者かしらん?

足だけは暖房が入っていたが、天井から吹き付ける寒風に風邪気味で頭痛が・・・Y子さんが一枚ひざ掛けを貸してくれた。おかげさまで翌日は頭痛もなく元気快復。ここで改めてあの時はありがとう!!

雨のなか走るように ホテルに 帰り、インスタント・ラーメンを作って食べて、ようやく温まった。「まだ8月なのにぃ~」就寝。


2006夏の音楽祭の旅~ザルツブルグ(5) [オペラと美術の旅2006夏2]

8月29日(火)    ザルツ最後の日

相変わらず時折晴れ間はでるものの雨交じりの肌寒い日。風も強い。この日は風邪の用心と翌日の大移動に備えてお部屋でのんびり過ごした。

ランチはEさん持参の「地球の歩き方」を参考にモーツアルトの家の向かい側の小さな広場に面したレストランで。ザルツでも古い建築の家として有名なお店。内装も素敵。でも、いくらザルツという名前の街でも塩が効き過ぎてカラーイ。友人たちはそうでもなかったみたい。このところ夫のための減塩、低カロリーの食事にすっかり慣れてしまい、海外での食事に多少辟易することも多くなった。こういう楽しみはあまり長く続けられないかも・・・と、やや弱気。私の旅は食べる楽しみも結構重要なポイントなので・・・特別なグルメというよりただの食いしん坊。(汗)

コンサートを含めて7枚のザルツのチケットも残りは今夜の一枚だけになった。友人たちと淋しいねといいながら、フェルゼンライトシューレへ。
 「ティト帝の慈悲」18:00開演  フェルゼンライトシューレ

「LA CLEMENZA DI TITO」

 指揮:CHRISTOPHER MOULDS  演出:Martin Kusej

Tito:Michael Schade  Vitellia:Dorothea Roschmann  Servilia:Veronica Cangemi  Sesto:Vesselina Kasarova  Annio:Malena Ernman  Publio:Luca Pisaroni

 ウィーン国立歌劇場 オーケストラ/ウィーンフィル

この最終公演は残念なことに指揮のアーノンクール(一昨日のコンサートの疲れ?)とServiliaのAleksandra Kurzakが降りた。また開幕前のアナウンスでレッシュマンが風邪のため不調との断りがあった。当初予定されていたバーバラ・ボニーはプログラムの写真には掲載されているので、割合日程が迫ってからキャンセル。そして引退ということになったようだ。
舞台は大掛かりな4階建ての宮殿?のような建物を装置。歌手たちは階段を登ったり、降りたり大変そうだった。シャーデはまた一回り大きくなって(太って)凄い貫禄。昨年のタミーノはやや不満だったが、今回のティト帝はビジュアル的にもぴったりはまっていて 見事な歌唱。圧倒された。もうひとりの主役はカサロヴァ。この夜のカサロヴァ以上のセストは考えられない。映像で聴いた コジェナーも私の大好きなファン・オッターもそれぞれ素晴らしいのだが・・・生の強みにはかなわないことを再認識した。だからこそ多々無理をしてまで現地にやってくるということ・・・と、自分で自分を納得させる。(汗)
クラリネットソロを伴奏にして歌うアリア「私は行くが、君は平和で」は特に好きな曲なので堪能。カサロヴァ の自在に出る七変化の声の魅力にはひれ伏すしかない。レッシュマンはいつもの声の冴えには不足していたが、頑張っていた。昨日のメータといい声がつぶれても?歌うんだという若さゆえの気迫、そのプロ根性に打たれた。Kurzakの代役に今夕急遽歌ったカンゲーミは モーツアルテム のマチネでも歌っていた実力派。代役とはいえ安心して聴くことができた。 火事の場面も大掛かりな仕掛けで臨場感にあふれ、ザルツらしい 派手な舞台を楽しめた。

最後のアフター・オペラは友人の部屋に集まり、昼間テイクアウトで用意していた巻寿司とビール、持参のおつまみで乾杯。明日からはそれぞれバラバラに寄り道したり、帰国したり、お別れということになる。淋しいな~。

一年前から一割引の5公演連続シーズンチケットや人気ホテルの予約を済ませていた。ツアーに較べるとかなり割安でモーツアルトの記念の音楽祭を楽しむことができたと思う。 インスブルックに行けたのも良かったと友人たちに喜んでもらえて、嬉しい!!


2006夏の音楽祭~エジンバラ(1) [オペラと美術の旅2006夏2]

8月30日(水)   ザルツブルグからエジンバラへ移動

ザルツブルグ8:30~ウィーン9:30/11:45~ロンドン13:15/16:10~エジンバラ17:40                                  Edinburgh City Hotel4泊

今日はウィーンとロンドンで乗り換え、一日がかりでの移動が大変な日。緊張のためか早朝に目が覚めてしまった。7時にチェックアウト。友人たちもそれぞれフライトの出発は1時間から2時間後にずれるが、一緒にタクシーで空港へ。ウィーン行きが私より遅かったE子さんは空席があったので、私と一緒にウィーンに向かった。Y子さんはフランクフルト経由で帰国した。E子さんとウィーン空港で別れるといよいよ一人ぼっち。一人旅は慣れているはずだが、楽しい時間を共有した後は、やはり淋しいものだ。

ロンドンの例のテロ騒ぎが8月の中旬にあり、相当に厳しい荷物検査が実施されているらしいとの情報。恐る恐るヒースローのターミナル1に降り立った。ロスト・バッケージの心配もあり、状況次第では列車移動もと考えていた。しかし、意外にも混乱は少しも見られず、入国審査は米国より簡単で落ち着いた雰囲気。即座に予定通りにミッドランドで飛ぶことにした。ターミナル2も隣接しているので、連絡通路を数分歩くと MID AIRの看板。しかしここで馬鹿な考えが・・・そういえばオーストリアとは時差があったはず?とっさに計算したのは良いけれど・・・1時間早めてしまった。あらっ!20分しかないと走った。カウンターでハアハア息せききって「間に合います?」係員が私のE-チケットの紙を見て怪訝そう。あれっ!「今何時?」なんと1時間遅かった。まだ搭乗まで2時間以上もあったわ~。(笑われた 恥)機内持ち込みは一個とのことで、スーツケースの他にキャリーバックも預かってくれて、かえって身軽になった。荷物検査も化粧品があるかと訊かれるくらい。ホントはコンパクトや口紅は携帯していたのだが、取り上げられたら困るので 持ってないと言って通過した。(ごめんなさい)

 初めてのエジンバラはどんよりした曇り空。スコットランドの煉瓦や石造りの家々を眺めながらタクシーでホテルへ。ホテルはHPの写真よりも外観はややみすぼらしいが、部屋はザルツの2倍くらい広く、もちろんバスタブつき。(部屋代も大都市だけあって、ザルツより2倍以上も高い)ランチが飛行機のなかでの軽食だったので、夕食は早めにホテルのレストランへ。味はまあまあだがサービスの手際が悪く、イライラ。

携帯電話は相変わらず接続不能。おまけにうっかりしてイギリス用のコンセントは他のヨーロッパとは違うことをすっかり忘れていた。ホテルのレセプションに借りに行ったが、ないと断られる。まったくついてない。でも湯沸かし器は完備されているので助かった。

今日の大移動で疲労もピークに達していた。ある程度無理?と予想していたが、9時半からのフィラデルフィア管のコンサートはパス。久しぶりのバスタブに浸かって、10時には倒れるようにベットへ。


タグ:エジンバラ

2006夏の音楽祭~エジンバラ(2) [オペラと美術の旅2006夏2]

8月31日(木)   National Gallery of Scotland&オペラ「魔笛」

 ここのホテルは今まで宿泊したB.Wチェーンホテルのなかではコストパフォーマンスが非常に悪い。朝食はお粗末。そして部屋の掃除は午後に外出から戻っても(クリーンアップお願いの札をかけて5時間以上たっても)まだ済んでいない。オペラの前に一眠りしなければならぬ身にはイライラがつのった。

 ここは朝食は別料金。しかし7£で卵料理もつかないし、パンもあまり美味しくない。2回は湯沸かし器でおにぎりと味噌汁を作って食べた。荷物も減らせたので良かったのだが・・・イングリッシュ式朝食が楽しみだったのに~。(涙)

さて、このホテルから市の中央に聳えるエジンバラ城までは徒歩で15~20分くらい。オペラやコンサートのチケットの保管場所であるザ・ハブもお城の近くなので、のんびり目指して坂道を歩いた。ハブの事務所はロイヤル・マイル沿いの立派な教会の中。まさか教会の内部がこんな風に事務所になっているなんて思っても見なかったから、ウロウロ探し回った。(罰当たりとは言わないが・・・ちょっと違和感)

チケット引き換えも済み、次はナショナル・ギャラリーへ。ホテルとは反対側の道を降りていくと丘の上からギリシア神殿風の美術館が見えてきた。隣接するロイヤル・スコティッシュ・アカデミーも同様の壮麗なギリシア建築。この2つの建物は近代的な地下フロア(レストラン、カフェ、ブックショップ)で結ばれている。特別展以外は無料。

↓はロイヤルマイルの裏側

イタリア絵画ではロット「聖会話」、ラファエロ「椰子の木のある聖家族」、フェッラーラ派「聖母子」(幼児キリストは赤い珊瑚のネックレス)、ティツアーノの2枚の「ディアナ」、バッサーノ「三博士の礼拝」、ティエポロ「ナイル川から発見されたモーゼ」など。
 スペイン絵画ではヴェラスケスの初期の傑作「卵料理をする老女」、スルバラン「ヨアキムとアンナを伴う聖母の無原罪のお宿り」、エル・グレコ「寓意画」(猿、ろうそくに火をつける少年、男)など。ネーデルランド絵画のレンブラント数点、フェルメールの初期の作品「 マルタとマリアの家のキリスト」ボルフ「歌のお稽古」ルーベンス「サロメ」そして2回の特別室にファン・デル・グースの「三位一体の祭壇画」の4枚の板絵パネル。

(→部分写真は不気味なオーラを放つ黒衣の天使)

フランス絵画ではヴァトーの「祭り」、プッサンの代表作7枚の「秘蹟 」、スーラの「水浴びのための習作」ゴーギャン「天使とヤコブの闘い」(説教の後の幻影)などが印象に残った。また19世紀に地元の画家が描いたスコットランドやボーダー地方の廃墟になった修道院の風景画が何枚か展示されていた。

 ここまででエネルギーの大半を消耗、エルスハイマー特別展は逸る心を抑え、翌日にまわすことにし、地下のレストランで ランチ。ここは美人のウエートレス さん揃い。愛想も良く 味もエジンバラでは美味しいほう。ガラス窓の向こうにスコットのモニュメントが見えた。↓

久しぶりに快晴のお天気なので日光浴の市民でいっぱい。バスで帰ろうと思ったが、まだここの複雑なバスルートが理解できてないので、徒歩でホテルへ。途中コンサート会場のUsher Hallも確認。

 「魔笛」19:15開演 エジンバラ・フェスティヴァル・シアター

オペラの会場までホテルから徒歩約15分。帰りは近道のあるのに気がついたが行きは 地図の通りに歩いて遠回りをしてしまった。この日は旅に出て一番暑い日だった。汗だくになって辿り着いた。会場は外観は普通のビル、前面はガラス張り、入り口ロビーはカフェになっている。右手はチケット売り場とエレベーター。正面は5階までの大階段、吹き抜けになっている。各階ごと(上階を除く)にBARもあり。変に大げさなホールではなくコンパクトながら機能的なのに感心した。私の席は4階の左寄りの一番前の席 。NETで一枚しか残っていなかった席にしてはGOOD!!内部は古典的な、けれどシンプルな劇場。古い劇場をそのまま生かして外観だけ改装したのか?

↓3階のBarから

↓4階の私の席から

「DIE ZAUBERFLOTE」

指揮 :Claudio Abbado  演出:Daniele Abbado

Sarastoro:Georg Zeppenfeld  Tamino:Eric Cutler  The Queen of the Night:Erika Miklosa  Pamina:Julia Kleiter  Papagena:Sylvia Schwartz  Papageno:Andrea concetti
Monastatos:Kurt Azesberger   First Lady:Caroline Stein  Second lady:Heidi Zehnder  Third lady:Anne-Carolyn Schluter

Mahler Chamber Orchestra

 今回の旅で観た2つの「魔笛」。ザルツが完璧に近い名ソリストたちを集めたのに比べ、エジンバラは夜の女王を歌ったミクローザ以外はあまり知らない歌手たちで構成されていた。私はザルツの派手な舞台より、作曲された時の小さな芝居小屋に掛けるための歌芝居(ジングシュピール)の魅力、「魔笛」の不思議な力を持った音楽の表現・・・断然こちらのほうが好み!! 注目の夜の女王はスキンヘッドにアイラインはどぎつく隈取りされ蜘蛛女のよう、ミクローザの美しい顔の片鱗もなく登場。3人の童子たちはオリーバー・ツイストのようなロンドンの下町の男の子スタイル、ハンチング帽が可愛い。演出はとりたてて特徴があるわけではないが、移動レール装置を上手く活用。動きのあるシーンを生み出し、飽きさせない。パパゲーノはイタリア人のバリトン、歌はいまいちだが軽妙な演技が達者。こんなに明るいイタリア男まるだしの鳥刺しくんは初めて。
アバドの指揮は初めてだったが、手勢のマーラー・チェンバー・オーケストラ(MCO)との息もぴったり。煽らずとも、モーツアルトのメロディの美しさが浮き上がってくるような演奏。時々意識がオペラの舞台を離れて、音楽そのものを楽しんでしまったのは致し方ないと思う。日本人の若い女性が2人メンバーに加わっていた。(第一ヴァイオリンとオーボエ)MCOはエクサンプロヴァンスを根拠地にD・ハーディングとの演奏も多い。来夏は4年ぶりに夏のエクスを訪れる予定なので、MCOの演奏にスケジュールが合えば良いな・・・というより合わせる?。カーテンコールはオケのメンバーも舞台に上がって喝采を受けた

深夜の 帰り道が気になってゆっくりカーテンコールも楽しめないまま急いで外へ。すっかり涼しくなった夜道をウールのショールに包まって急ぎ足。人影は5分も歩くとぐっと少なくなるが、途中ライトアップされた豪壮な館が辺りを明るくして、一安心。10Mほど前を歩いていたご夫婦が、同じホテルに入って行くのが見えてますます安心。かくしてエジンバラの第二夜は充足と安堵に満たされ熟睡。


2006夏の音楽の旅~エジンバラ(3) [オペラと美術の旅2006夏2]

9月1日(金)   エルスハイマー特別展&BBC響演奏会

朝、雨の音で目が覚めた。気温も昨日より10度くらい低くなり、ぐっと涼しい。さて、今日はナショナル・ギャラリーでのエルスハイマー特別展 に張り切って出発。昨日に続いて11:00からのチェロのコンサートをパス。(汗)音楽会のダブル・ヘッダーをすると、他の観光や美術館などの見学をするのは無理になってきた。もう歳だし、腰痛も抱える虚弱体質なので仕方がない。コンサートのチケットを購入した時は、美術館の情報を取っていなかった。出発間際にこのエキシビジョンがあることをサイトで知り狂喜!!あっさり音楽→美術に鞍替え。(笑)↓展覧会のゲート


 エルスハイマーは日本ではあまり知られていないので簡単にご紹介。

 Adam Elsheimer(独)1578~1610 

フランクフルトに生まれ主にローマで活躍。初期にはマニエリスムの様式が見られるが、1598年にイタリアに渡ってからは「エジプトへの逃避 」に見られるように細密描写的でしかも詩情豊かな夜景表現にすぐれ、名声を得る。小型の銅板に油彩で描かれた作品の多くは、彼自身や弟子たちの手で銅板画にされ、17世紀の風景画の発展に重要な影響を与えている。レンブラントや友人であったルーベンスも「エジプトへの逃避」↓に触発された。
32歳 で夭折。<西洋絵画作品名辞典より>

 

 フランクフルト、ロンドン、サンクトペテルブルグ、ベルリン、コペンハーゲンなどから集められた全作品47点 を展示。図録のカタログにはこのようなエルスハイマーの大展覧会は最初で最後になるだろう とのご挨拶。エジンバラのほかはロンドンとフランクフルトでも開催される。チケットを買うと小さなルーペがついてきた。初めはこれで細部を眺めたのだが、私の場合は近くのものは良く見えるので、そのうち不要となった。この展覧会も2日後には閉幕なので混雑 を一番恐れたのだが、それほどでもなく一点一点ゆっくり鑑賞。エルスハイマー独特のミニァチュール の世界、そして夜景の表現が素晴らしい!!星が降るように輝く金の細かい点描が 魔法のごとく画面を支配。たいていは遠景に描かれている幽玄な青灰色の森の描写にも目が釘づけ。

全世界に散った作品がこうしてスコットランドの地に集まったのは、 ここの美術館の企画によるもの。序に掲げられた「In Memory of Keith Andrews」・・・エルスハイマーの研究で知られているK・Andrews。その業績の出発点となったのがここNationai Gallery of Scotlandという.

ここの美術館が収蔵する「聖ステパノの石打」↓左と、レンブラントの同主題の絵画(リヨン美術館)↓右と較べてみるのも面白い。カタログも充実していて作品の来歴にも詳しい。チェックしたところほぼ予想通り、レンブラントがエルスハイマーの絵画を観た可能性は非常に大きい。「エジプトへの逃避」は1611年か らユトレヒトにあった。 

  

 またパリ・ジャックマール=アンドレ美術館の「エマオの晩餐」↓に 影響を与えたと思われる「レトとリュキアの農夫たちのいる風景」(ドレスデン)も1662年にユトレヒトで売りに出された記録が残っている。謎解きの面白さ。けど素人のたわごとかも。(笑)おまけに十五夜の月を眺めても「ああ!エルスハイマーの月!!」・・・病気かも。(爆)レンブラントの生誕400年の記念の展覧会(アムステルダム)に続いて、エルスハイマーの展覧会に偶然来ることができたのも何か不思議な縁を感じている。

 さて、夜遅くのコンサートの前にホテルからアッシャーホールの途中にあるイタリアレストランへ。昼間覗いてみたらコックさんを初めお店の全員がイタリア人!美味しいパスタにありつけると期待・・・しかしあまり美味しくない。(泣)でもエジンバラでは立派に通用していて結構な入りで、ほぼ満席。ちょっとイタリア語を喋ってみたら、乗りのいいおじさんが「なんでイタリア語話せる?何処で習った?」と大はしゃぎ・・・(この程度のイタリア語で騒がないでぇ~ )

 9時半からのコンサートはBBC響のブルックナー9番 指揮 : J・ピエロフラーヴィク
ブルックナー 最後の交響曲は、重々しく厳かな中にもブルックナーらしい質実なロマンが 感じられて良かった。この曲 は生で聴くのは初めてだった。この曲を聴くたびにエジンバラを想い出すだろう。席は1階の後方。夜遅くの公演なので私の周りは空席がめだった。Usher hallは古い趣のある建物。内部は正面に歴史を感じるパイプオルガンを備えたコンサートホールの典型。落ち着いた雰囲気が日本のピカピカホールに慣れた身には心地良い。11時を回った街は週末ということもあって、若い娘さんが 平気で歩いている。私も表面は平然と(内心はまだビクビク)雨のなか宿へ帰った。


2006夏の音楽祭の旅~エジンバラ(4) [オペラと美術の旅2006夏2]

9月2日(土)     ホリルードハウス宮殿見学&「ニュルンベルグのマイスタージンガー」

  今日も時々強い雨の降る涼しすぎる日。それでも午前中はなんとか晴れ間もでたので、ホリルードハウスへ。お城からまっすぐのストリートの先に イギリス王室の別邸として使われている宮殿が建っている。女王が滞在している時は旗が掲げられ、見学は不可となっている。
宮殿の前は観光センターになっていて、お土産ショップの奥から2回に上がるとクィーンズ・ギャラリー。女王のコレクションを主体にした展覧会「CANALETTO in Venice」が開催されていた。イギリスのイタリアに対する強い興味がこの見事な蒐集にも現れている。カナレットの建物の優れたデッサンなども多数。↓の絵葉書はカナレットの大作「A regatta on the Grand Canal」

昨日のエルスハイマーも何点か女王のコレクションから出品されていたし、美術品だけでも凄い財産なんだろうな~と思いながら階下へ。しかし、英国王室は商売にもご熱心なようで・・・王室ファミリーのプロマイドやグッズがずらーっと並んでいる。(当然ながら?ダイアナ元妃のはないけど)

エジンバラ最後の日に普通の観光コースとしてここを選んだのは、ドニゼッティの「マリア・ストゥアルダ」にもなったスコットランド女王メアリーにまつわる話の数々に興味があったから。またその話がここの売りでもある。日本語のオーディオガイドつきで惨事のあった部屋などを巡った。メアリーのたどった数奇な運命に 改めて驚きながら・・・。

宮殿の中庭から隣接するホリルード修道院 へ。廃墟になったAbbeyは12世紀の建立。元のロマネスクからゴシックに改築されている。廃墟になった修道院は独特の風情がある。メンデルスゾーンもここを訪れ交響曲第3番 「スコットランド」の曲想を得たとか。

スコットランドには廃墟になって残っているAbbeyが多い。この後、宮殿前の書店で Melrose,Dryburgh,Iona,Inchcolmの小冊子を 購入。次回来ることがあれば嬉しいけれど・・・眺めているだけでも充分楽しい。
 ↓絵葉書はInchcolm Abbey(孤島に浮かぶ)

スキャナーの精度が最悪になってきた。

 雨が結構強く降って来た。タクシーでホテルの近くまで帰り中華料理のランチ。点心を何点か選ぶと、可愛い中国人のウェイトレスさんが量が多いから2点で良いよという。ホントにスープ饅頭とお粥でお腹がいっぱい。日本の3倍近い量。でも安くて美味だった。ついで?にビール。
  昼寝は夕方からの公演なので1時間くらいしかとれなかったが、ほろ酔いでぐっすり眠れた。

「ニュルンベルグのマイスタージンガー」(コンサート形式)17:00開演

アッシャーホール

指揮:David Robertson      BBC Scottish Symphony Orchestra

Eva:Hillevi Martinpelto  Walther:Jonas Kaufmann  David:Toby Spence  Magdalene:Wendy Dawn Thompson   Hans Sachs:Robert holl  Pogner:Matthew Rose  Beckmesser:Andrew Shore

 コンサート形式とはいえ素晴らしいワーグナー を聴くことができた。終演は11時、2回の休憩を含め6時間。しかし、少しもだれることなく終盤の歌合戦ハイライトに向かって怒涛のように突き進み、熱の入った演奏だった。
 この公演で一番の注目はワルターのヨナス・カウフマン。生で聴いたのは4年前の「カプリッチオ」一度だけだったが、繊細な声のテノールでお気に入りになっていた。(ハンサムだし)最近はモーツアルトも歌い、声は重くなってきていたが、まさかワーグナーを歌うとは思っても見なかった。怖いもの見たさ(聴きたさ)という気持ちも・・・。(笑)
正しい?ヘルデン・テノールかといえばはっきり言って物足りないのだが、なかなかどうして カウフマンのキャリアを生かした独自のワルター。甘さも美しさも兼ね備えたテノールの強みを発揮。新しいタイプのワルターといえるだろう・・・感動!!
スペンスは変わらず良い声なのだが、少々勉強が足りないというか、ワグナーに乗らない感じがした。ザックスのホルをはじめベテランの歌唱にも大満足だった。プログラムは英語翻訳のリブレットつき。それをたどりながら熱心に鑑賞する 方たちが多かった。演奏の前にこの音楽祭のディレクターが出てきて(最後のコンサートということで)、チケットの売り上げや総動員数など自画自賛のご挨拶。すかさず「早くひっこめ~」みたいに野次が飛んで、みんながそれに同意の拍手・・・国民性の違いをつくづく感じた一幕。(笑)

 翌日は午後のフライトなので、朝はゆっくり荷物を整理して休養。ロンドンでJALの整備(部品取替え)のため一時間出発が遅れたが、ほぼ予定通り。関空経由で札幌に帰った。今回はてるてる坊主の旅には珍しく天候の悪い日が多かった。札幌に帰ってみると夏らしい日が留守中ずーっと続いていたようで・・・。(終)


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